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ケモノブックス
万葉集 大伴家持
日本に現存する最古の和歌集。一人の編者によってまとめられたのではなく、巻によって編者が異なるが、家持の手によって二十巻に最終的にまとめられたとされている。
うづら鳴く故りにし郷ゆ思へども
何そも妹に逢ふ縁も無き
今は鶉の鳴く里となってしまった旧都にいるあなたを恋しく思っているのに、
どうしてあなたに逢う術がないのでしょう。
少年の日の思い出 ヘルマン・ヘッセ
ヘルマン・ヘッセが1931年に発表した短編小説。
私は客人に趣味である「蝶の収集」のことを話し、蝶のコレクションを見せた。
しかし彼は少し見ただけでやめてしまい、子供の頃していた「蝶の収集」とその思い出を汚しまったことを語り出す。
クジャクヤママユが鍵を握る印象的なモチーフとして登場する。
海底二万里 ジュール・ヴェルヌ
フランス人作家 ジュール・ヴェルヌが1870年に発表した冒険小説。
船舶が巨大な角のようなもので大穴をあけられるという海難事故が多発、その調査の依頼を受けたのがフランスの海洋生物学者アロナックス。助手のコンセイユと銛打ちのネッド・ランドとともに「エイブラハム・リンカン号」で調査に向かうが、艦は謎の怪物の襲撃を受け遭難する。そこに現れたのがネモ船長の潜水艦ノーチラス号だった。
ノーチラス(Nautilus)とはオウムガイのこと。
ヴォイニッチ手稿 ウィルフリッド・ヴォイニッチ
1912年にイタリアのモンドラゴーネ寺院(Villa Mondragone) でヴォイニッチが発見し入手した、写本の古文書。 この本は未知の言語体系で執筆され、1915年に存在が公表されて以降、幾人もの高名な言語学者や暗号学者が解読に挑戦したが、未だ解明されていないという謎の本。奇妙な挿絵が多く記載されている。18ヶ国語を操るヴォイニッチ自身が時間をかけて写本を偽造したとする説もある。現在はイェール大学付属バイネキー稀書手稿ライブラリが所蔵
異邦人 カミュ
看護婦が出て行くと、門衛は「あんたをひとりにしよう」といった。自分がどんなしぐさをしたか知らないが、彼は出て行かずに、私の後ろに立っていた。この私の背中の人影が私は気になった。部屋には午後の終わりの美しい光りがあふれていた。2匹のモンクマバチが、窓の焼絵ガラスにぶつかって、うなっていた。
※モンクマバチというのはどうやら誤訳らしく、近年はモンスズメバチだと言われている。