Scarborough Fair
石の橋を渡れば
私の住んでいた村
青い谷に包まれた
麗しき田畑よ
人の通わぬ年を経て
ただ荒れ野となり果て
血を吐くようなキジの声
響く夢を見るのです
あなた見てきてくだされば
朽ちはてる家々を
青い山に包まれた
麗しき流れを
縫いあげることできましょうか
糸も針も使わずに
この山も人も包み込む
ひと続きの青い布
Lyrics
椋木と少年
天から降りそそぐ光
空かける竜
土にこだまする人々の声は 椋の葉で磨かれる
梢の雫の輝きを
幹にもたれて見上げている
少年は樹のささやきを聞いている
声にできない思いだけが君の言葉
その瞳の意味をいつか私にそっと聞かせて
キカセテ キミノコトバ ヒトミノイミヲ
舞い落ちる椋の葉を
幹にもたれて見上げている
少年は樹の鼓動を感じている
文字にできない思いだけが君の言葉
その瞳の意味をいつか伝えて手紙に書いて
ツタエテ キミノコトバ ヒトミノイミヲ
※椋木
ニレ科の落葉高木。高さ20メートルに達する。5月頃開花。果実は黒熟し甘く食べられる。椋の葉は古来より天然の磨き材として、木工、雅楽の篳篥の盧舌(リード)磨きなどに使われている。
Meadow Flowe
名前さえ忘れた
幼いころの友
揺れる草の中で
いつも待っていた
やわらかな土に
私は芽吹いた
叢の花
幸せの家の子よ
I am a meadow girl
I am a meadow flower
風の日には風に
曲がった木を見つめ
こんなふうに強く
生きてみたいと思い
雨の日には抱き合い
眠る鳥を見つめ
雪の日には雪に
耐える草を見つめ
I am a meadow girl
I am a meadow bird
今日は泪落としたら
また前を向いて行くの
叢の花
強き家の子供よ
I am a meadow woman
I am a meadow flower