Lyrics
ムーンダンス
君がムーンダンス踊る夜
森は穏やかにゆれ
銀のラッパの天の川
足元を流れる
楽譜は夜空のブルーノート
枝に並ぶ鳥たち
知らないコードの調べを
探すキツネが歩く
昼のざわめきは
ここには無く
月の明かりだけが
君を照らす
*
踊れムーンダンス
ムーンダンス
Yeah Yeah
ムーンスクィング
ゆらぐ影
ムーンダンス
ムーンダンス
夜の果てまで
君がムーンダンス踊る夜
川は狂い流れて
忘れていい言葉を
みんな流してしまう
早い流れに乗った小舟が
岩と岩をすりぬけ
知らないルートの調べ
いつのまに奏でてる
心乱すものは
ここには無く
月のあかりで
君だけを見る
*
2019.02
イカルとコーヒー
目を覚ましたら
知らないところ
降り注ぐ鳥の声
古い道の石積み コケ
車の窓開ければ
流れ込むカエルの声
逃げ出してきた
昨日の夜
誰もいない田舎道へ
行けるとことろまで来た
焚き火を見つめ横になった
思い出す 苦しみ
逃げ場はない
向き合う 暗闇の奥まで行こう
暗い闇の一番奥へ行こう
夜があけるよ
珈琲淹れようか
朝が来るよ
鳥と話す
鳥は応える
2019.02
半島へ
京浜急行の最後の駅は
海に突き出た半島の上にあり
僕が降りた午後4時半過ぎには
太陽はそろそろ そのかかとを雲の下へ降ろそうというところ
日が沈む前に海岸へ降り
なにか石でも貝殻でも流木でも
拾って帰れたらいいなと
海へ降りる細い道は
平屋の家が並ぶ路地を抜けて
猫がU字溝をまたぎ
アカテガニが柳の木を登ってゆく
犬はただ目を閉じている
クロアゲハがカラタチの垣根をふわりと飛び超えて
僕の足元で海砂がサクッサクッと音をたて
頭の上でカモメが数を増す
せまい入口を探している
せまい入口を探している
県道42号は広い畑の横を通り
麦畑で麦が濃い茶色に実っている
畑の横には充麦の木箱のようなパン屋があり
若い夫婦が旨いパンを焼いている
あの畑の裏に
海へ降りる道があったはずだ
日が沈む前に海岸へ降り
なにか石でも貝殻でも流木でも
拾って帰れたらいいなと
せまい入口を探している
せまい入口を探している
2019.08